記事の詳細
私立学校の耐震化率はまだ「8割」
公立学校施設は児童生徒などの学習・生活の場であると共に、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割を果たすことから、耐震化の推進がなされています。
特に東日本大震災以降、耐震化が急速に推奨され、平成27年度末までの出来るだけ早い時期に完了させるという目標を文部科学省が掲げています。
しかしながら、私立学校の耐震化はなかなか進んでおらず、文部科学省が公表した「私立学校施設の耐震改修状況調査」によると耐震化率(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)は80.6%(平成26年4月)でした。
耐震化にこれほど大きな格差がついたのは、①国による耐震化補助金が私立学校は改修のみで施設改築が補助対象外だったこと、②地方自治体が私立学校の耐震化補助制度を設けていなかったり、補助率が低いなど、外観や使い勝手を大きく変更させない耐震工法が提案されてこなかったなどの原因があげられます。
子供達全体の2割がまだ基準に達していない建物で毎日を過ごしているということを考えると、安全面の観点からさらに耐震化が進むように啓蒙が必要であることもわかりますね。
——
一般社団法人レトロフィットジャパン協会では多くの学校施設の耐震改修実績があり、これまでの実績と経験をもとに耐震化のアドバイス、外観や使い勝手を大きく変化させない工法の提案などを行っております。
H.F
最新記事 by H.F (全て見る)
- 先人たちが苦労して手に入れた建物への愛着 vs 耐震補強の必要 - 2016-10-21
- 強靭性って何? 「国土強靭化」の冊子から見る様々な事例 - 2016-05-23
- 大きな社会的役割を担う病院施設の耐震化が難しい3つの理由 - 2015-08-20