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建築の世界で働き、耐震について学んでいく中で、もしこの建築の世界に入っていなかったら「耐震」という言葉にどんな印象やイメージを抱いていたのだろうかと気になりました。

そこで、同世代の人たちに調査を実施。

 

「耐震」という言葉から得られるイメージは?

まず最初に「耐震」というキーワードについて30名ほどの大学生たちに投げかけてみました。
その結果は…

耐震ってそもそも何?

地震での被害を防ぐ

学校や高層ビル(高い建物)

地震などの実験

耐震パットなどの防災グッズ

といったもの。

ちなみに「耐震」というのは、文字通り地震の揺れに耐えられるように構造等を補強したもののこと。そもそも防災グッズは「耐震」とはジャンルが異なるものです。

やはり「耐震」という言葉についてはぼんやりしたイメージになってしまうみたいですね…。

 

もう少し専門っぽく「耐震化」について聞いてみた

「耐震」では幅が広すぎるので、次に少し的を絞って「耐震化」という言葉のイメージを尋ねてみました。

地震がよく起こる場所

工事

耐震基準

家の骨組み

柱を補強する

「耐震化」は強い地震でも建造物が倒壊しないように補強すること、そのような構造に作り変えることを意味しています。

「化」という言葉を加えることで、もう少し本質的なところに対する印象が増したように感じます。

注目は、構造に関する言葉や耐震基準というワードが回答されたという点。「耐震」だけでは出てこなかった「補強する」という考えや「耐震基準を満たすための補強工事」という概念に繋がってきました。

 

「耐震工事」でさらに絞り込み

最後にさらに具体的にイメージしやすいよう、「耐震工事」というキーワードについて印象を聞いてみました。

ばってん(×)になっている鉄骨

揺れを軽減する

なかなか順調に進んでいない

ここまで来ると、より身近なワードが登場しています。「ばってんになっている鉄骨(おそらく学校などでよく見かける『ブレース工法』のこと」)とか。目で見て耐震補強がされていると分かる事例は素人でも一番イメージしやすく、印象強いものなのかもしれません。

熊本地震の時に報道されていた「耐震基準」「耐震化がなかなか進んでいない」という言葉が大学生の思いの中に入っていたために、この質問によって過去のそうしたニュースについて言及したということもうかがい知れます。

揺れを軽減する」という言葉は、ざっくりとはしていますが正解とみなして良さそうです。こうした考えから、震動に対して耐えるのか粘り強くするのかといった、その建物が持っている特徴を考慮し活かせる方法や工法へと枝分かれしていきます。

 

最後に「地震に対しての備えはしているのか」と質問してみたところ、半数の方が「していない」と答えました。

備えをしないといけないという気持ちはあるものの、実行するにはまだまだハードルがあるのかもしれません…。

 

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大分県宇佐市生まれ。ただいま社会勉強で研修中。東京で一人暮らししてますが、ちゃんと自炊しています。

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