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現在の環境や人々の需要にあわせて日々、リフォームなどを通じて変化するマンション環境。より住みやすい空間を提供するために業者や世帯主が払う努力も活発化している気がします。

とは言うものの、「うわっ、これ古いなぁ」と如実に感じてしまう「時代遅れな設備」が、様々な理由からそのまま新築マンションなのに採用されているというものも少なくないようです。

 

騒音問題に影響する「時代遅れ」な仕様と設備

例えば、

・鉄骨の外階段
・1階おきにしか止まらないエレベーター
・直床(天井が二重構造になっておらず、下の階の天井がそのまま上の階の床になっている)

など、近年のマンション仕様に目が慣れてしまっているユーザーからは「時代遅れ」と呼ばれてしまうような設備。

判断基準としては騒音問題の原因になりうる、あるいは不便極まりないといった、住む人に多大なストレスを与えてしまうような設備であるか否かという点が大きなポイントかもしれません。

鉄骨の階段などはまさに騒音の原因そのもの……歩くたびにカンカンと耳障りな音が響きます。そして直床は言うまでもなく、「上の階の足音がうるさい」ので、下の階の住人にとっては大きなストレスに直結するかもしれません。

それでもどうしてこうした仕様が今でも廃れないのでしょうか?

 

時代遅れの設備が残り続ける理由

時代遅れと見なされるようでもそうした仕様が現在も採用される大きな理由の一つは、「コスト」です。

マンションを建てるには、耐震補強だけでなくや他にクリアしなければならない基準が多く、それを一つ一つクリアしていくとなると建築費に膨大な金額がかかってしまいます。

削れる部分を削ろうと考え、少しでもコストダウンしようともがいた苦肉の策として、時代遅れな設備をそのまま採用せざるを得ない、というケースが非常に多いようです。

もちろん、古い仕様や設備を採用するとなると見栄えが悪い建物になってしまうこともあります。

しかし、例えば鉄骨の階段などは、その外側に板を取り付け色をつけ、見栄えを良くしてそれが鉄骨と解らないようにしてしまえば、外観はオシャレにも見えてしまうかも。

結果として、住んでみて後から騒音問題に悩まされるという施工も少なくありません。デメリットは生活の中で住人が回収しなければならなくなってしまう形ですね。

コストダウンというオーナー側の大きなメリットがある限り、今後もまだまだこのような時代遅れな設備は改善されないまま採用されていくかもしれません。

 

それで良いのか、今後の日本のマンション設計

今後、日本は高齢化が進み、人口は減っていくと見積もられていることを念頭において考えると、マンションもこれまで以上に空き部屋が増えていくことが予想されます。

これまでは多少のデメリットに目をつむって安い物件へと選択肢が絞られてしまっていたユーザー層でも、値下がりした近代的なマンションへの選択肢が増え、結果として時代遅れな設備や仕様のマンションが余っていくことは明白ですね。

将来、時代遅れの設備を採用している近年のマンションはあっという間に見放されてしまう……。

そうならない為に、先を見越して、いつまでも時代遅れと言わせない仕様と設備のマンションを建てる・選ぶというポリシーを持つことが重要視されるべきではないでしょうか。

すでに建ってしまっている「時代遅れ」なマンションも、レトロフィットすることによって改善できることもあるかもしれません。

 

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